特集 : 作品数は100を越す、アメリカの現役絵本作家エド・エンバリーおじさん



 1931年マサチューセッツ・ケンブリッジ生まれ。1970年代、数々のドローイングブックを発表し人気、知名度共に抜群。簡単な図形を組み合わせて動物などを作って行く絵本は有名ですね。ボストンのマサチューセッツアートスクールを卒業後、広告デザインを学び、その後イラストレーターとして活躍しはじめます。
 初の絵本『THE WING ON A FLEA』(1961)では、ニューヨークタイムズ誌の年間最優秀絵本賞を受賞します。そして、1966年発表の『ONE WIDE ON RIVER TO CROSS』では、1967年コールデコット賞オナーを受賞。ちなみに、同年のメダルはエバリン・ネスの『Sam,Bangs & Moonshine(へんてこりんなサムとねこ)』。翌年(1968)には、レオ・レオニの『フレデリック』を抑えて『Drummer Hoff』がコルデコット賞メダルを受賞します。 発表している数々の絵本は、アイデア満載の作品も多く、楽しめます。
 エド・エンバリーさんといえば、『ED EMBERLEY'S DRAWING BOOK』のシリーズがあまりにも有名ですよね。ピンとこない方でも、○、△、□をいろいろ組み合わせて、動物を描いてみたり、のりものを描いてみたりする絵本をどこかで見かけているはずですよ。偕成社さんから邦訳された絵本『どうぶつかけちゃうよ』など、多数出版されているんです。
 今回紹介している60〜70年代の作品は、エンバリースタイルを確立するまえの模索している様子が手に取るように分かります。各々の作品で、いろいろな手法を試し、子供の絵の本の表現方法を考えていたんでしょうね。

数々のエンバリー作品の表紙カット画像。これだけで作品が分かったら、あなたはエンバリー通!?









エド・エンバリー作品暦(1960〜1980)

エド・エンバリーさんの絵本作品は約120あまり。現在も現役ですから、
まだまだ増えそうです。ここでは、エンバリーさんの初めての絵本発表か
ら、70年代までの絵本を中心にお伝えしたいと思います。

『The Moon Seems to Change』1960  Thomas Y.Crowell
『THE WING ON A FLEA』1961 LITTLE BROWN AND COMPANY
『The Parade Book』1962 LITTLE BROWN AND COMPANY
『Colonial Life in America』1962 Holt Rinehart and Winston
『The Big Dipper』1962 Thomas Y.Crowell
『The Story of Paul Bunyan』1963 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『Birds Eat and Eat and Eat』1963 Thomas Y.Crowell
『Night's Nice』1963 Doubleday & Company
『Cock A Doodle Doo』1964 LITTLE BROWN AND COMPANY
『Flash,Crash,Rumble,and Roll」1964 Thomas Y.Crowell
『Yankee Doodle』1965 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『Punch and Judy』1965 LITTLE BROWN AND COMPANY
『Columbus Day』1965 Thomas Y.Crowell
『Straight Hair,Curly Hair』1966 Thomas Y.Crowell
『ONE WIDE RIVER TO CROSS』1966 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『ROSEBUD』1966 LITTLE BROWN AND COMPANY
『LADYBUG,LADYBUG,FLY AWAY HOME』1967 Thomas Y.Crowell
『LONDON BRIDGE IS FALLING DOWN』1967 LITTLE BROWN AND COMPANY
『GREEN SAYS GO』1968 LITTLE BROWN AND COMPANY
『DRUMMER HOFF』1968 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『The Fifty-First Dragon』1968 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『Simon's Song』1969 Prentice-Hall,Inc.Englewood Cliffs
『ED EMBERLEY'S DRAWING BOOK OF ANIMALS』1970 LITTLE BROWN AND COMPANY
『SUPPOSE YOU MET A WITCH』1973 LITTLE BROWN AND COMPANY
『KLIPPITY KLOP』1974 LITTLE BROWN AND COMPANY
『He Wizard of Op』1975 LITTLE BROWN AND COMPANY
『A BIRTHDAY WISH』1977 LITTLE BROWN AND COMPANY
『ED EMBERLEY'S ABC』1978 LITTLE BROWN AND COMPANY
『ED EMBERLEY'S AMAZING LOOK THROUGH BOOK』1979 LITTLE BROWN AND COMPANY
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THE WING ON A FLEA1961

エド・エンバリーの初めての絵本。1961年作品。
三角、四角、丸を身の回りにあるもので探してみよう。鳥のくちばし、お魚の尾ヒレ、アイスクリームのコーン、み〜んな三角だね。工具箱、物さしは四角。鼓笛隊の太鼓、車や列車の車輪は丸。今でも、いろいろな表現方法を模索しているエド・エンバリーさんのこの作品は、細いペンで描かれた線画、そこにグラフィカルな色を乗せています。線画と色のバランスによって、どちらも引き立ち飽きさせない構図になっているんですね。






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【The Parade Book】1962

『THE WING ON A FLEA』の赤・青・黄・緑(青と黄の重ね合わせで 作っています)、そして黒のみの色使いを継承し、やはり、色を付ける のは強調したい部分だけというシンプ ルさ。パレードがテーマの絵本なので、 パレード全体を描写するための引いた 構図とパレード参加者を描写するアッ プの構図がスケール感、リズム感とも に楽しめ
ます。





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【THE BIG DIPPER】1962






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【THE STORY OF PAUL BUNYAN】1965

アメリカ開拓時代の伝説の男の巨人“ポール・バニヤン”。仲間の大きな青い牛・ベイブと共にミシシッピー川を掘ったり、アイオワ州、カンザス州を切り開いたり・・・。力持ちだけど、やさしい男。この絵本、奥さんのバーバラ・エンバリーとの共作、そしてエンバリー初の木版画(ウッドカット)絵本。エンバリー夫妻は、この絵本のために使う松の木をメイン州まで探しにいって手作業で採ってきたらしいんです。






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【Birds Eat and Eat and Eat】1963

 いろいろのものに興味を示す子供たちに向けて描かれた絵本「Let's-Read-and-Find-Out Science Book」シリーズ。とにかく鳥は食べまくる!鳥は一日に10〜30回くらいは食べるらしいですよ。時には50回なんてことも。昆虫も食べるし、木の実も食べる。とにかく食べる。そんな鳥だから、庭にいろんなエサ場を作ってごらん、たくさんの鳥が集まってくるよ。





【FLASH,CRASH,RUMBLE,AND ROLL】1964





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【YANKEE DOODLE】1965

「アルプス一万尺、小槍のうえで♪」で日本でも馴染みのある曲。元々はイギリスの軍医によって作られた歌で、独立戦争の時に、揃いの服もなくイギリス軍のように整った行進もできないアメリカの軍隊をからかって作られた歌でした。それをアメリカ軍が歌詞を替えて歌い始めてからアメリカの民謡になりました。その曲の歌詞を、またまた日本人が替えて歌ったのが「アルプス一万尺」。そしてこの絵本は、エド・エンバリー自身で彫った木版画を自前の印刷機で自ら印刷したという手の込んだ作品。それぞれの木版を幾つかのグループにわけてライスペーパーに印刷して、最初の物が乾いたらそれにマスキングをして次の物を印刷します。一つの紙を印刷するのに24回もの作業が必要だったそうです。





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【PUNCH AND JUDY】1965

イギリス伝統の人形劇「パンチ&ジュディ」を元にした絵本。パンチの生まれたのは、シェイクスピア と同じ頃400年前。トレードマークは、カギ鼻、あご、ネコ背、いたずら好きな笑顔、そして奥さんとケンカするための棒(でも、いつも負けちゃうんです・・・)。エンバリーさんの柔軟な発想力はこの作品でも炸裂します。人形劇を楽しい絵本にするために考え出したのは、1シーンを4コマ漫画のようにして左ページで見せ、右ページに台詞をレイアウトするというアイデア。そのため、絵本のサイズがタテ26センチ・ヨコ13センチという変型サイズになってしまったようです。しかし、現代では見られないそのサイズがさらに魅力を増してしまうのです。





【Columbus Day】1965





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【Straight Hair,Curly Hair】1966

今日のあなたの髪の具合はいかがですか?生れつきカーリーヘアの人もいれば、硬い髪の毛の人もいるし、まっすぐの人もいますよね。そんな髪の毛のいろいろを科学的に教えてくれるのがこれ。頭には約10万本もの髪の毛が生えているそうですよ。そして、毛穴の形によって髪質も変わってくるそうです。そして、髪の毛はすごく強くて60kg位の強さまでなら引っ張られても、耐えられるらしいです。なんと、切った髪の毛も伸びているらしいです。ちょっと実験してみてはいかがですか?






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THE BOTTOM OF THE SEA】1966



【THE AMERICAN WEST】1966

ハードカバー。タテ21.5・ヨコ18.5センチ。44ページ。
\4,000-(税込み・送料
無料


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【Rosebud】1966

昔々、とっても平凡で、何処にでもいるありふれた小さな亀がいました。その亀は自分が平凡でありふれていることに飽き飽き、そこで彼女は、みんながうらやましくなるような美しい亀になることに決めました。このお話は平凡でありふれた亀がどのような冒険をし、どうやって特別な亀になったかと言うとっても可愛いお話。甲羅に毛を生やしてみたり、鳥の羽をくっつけてみたり。素敵な亀になれたんですかね? エド・エンバリーの最高傑作。





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【ONE WIDE RIVER TO CROSS】1966

エンバリー夫婦による“ノアの方舟”のお話。 冒頭では、想像上の動物たち(ユニコーン、火 の鳥?人面ライオン?犬ワシ?)などが1頭ずつ方舟へ。ページを追うごとに2頭ずつ、3頭ずつと増えて行きます。同じ動物を何頭も登場させるアイデアがユニークで、ひとつの動物を木版で作り、スタンプのように何度もくり返す手法。最後の乗り組み員(ヘビ、牛、羊など)は、ローラースケート履いてます。登場するキュートな動物キャラクターたちに注目するのも面白い。コールデコット賞オナー受賞作品。

 


【LADYBUG,LADYBUG,FLY AWAY HOME】1967

ニュージャージー・オウサー・アワード・フォー・サイエンス受賞作品。てんとう虫の観察日記のような絵本。
特別付録
【人気絵本『LADYBUG,LADYBUG,FLY AWAY HOME』に水彩画バージョン発見】

スタンダードバージョンはこちら→ 
水彩画バージョンはこちら→
 





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【LONDON BRIDGE IS FALLING DOWN】1967

誰でも一度は耳にしたことのある「ロンドン橋落ちる♪落ちる♪落ちる♪」というフレーズ。その唄と遊びを題材にした絵本。歌詞のなかに登場するロンドン橋が落ちた後に作る橋をエンバリーさん流に表現した“木と土“鉄”“金と銀”の橋。そして、そのバックにはユニークな太陽、雲、煙り、波。楽しい手書きのタイトルの文字も、今までになかった淡い色使いも新鮮で、ホッとする作品です






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【GREEN SAYS GO】1968

たくさんの色から連想するイメージをテンポ良く綴っています。一番大切な3つの色、“赤・黄・青”、2番目に大切な色、“オレンジ・グリーン・パープル”。青はパトカー、赤は救急車、パープルは怒り、白は恐怖、青は男の子、ピンクは女の子。キュートな絵とたくさんの色がイメージを膨らませてくれます。





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【DRUMMER HOFF】1968

世界で最初の絵本賞として知られるコールデコット賞メダルを受賞した作品。兵隊が台車を持って来る(しかし、ホフに友達なし)。伍長が銃身持ってくる(やっぱりホフに友達なし)。次第に大砲が出来上がって、最後は将軍が命令を持って来る。そのときホフはどうするか?友達のいないドラム弾きホフのお話。「ONE WIDE RIVER TO CROSS」につづく、ウッドカット(木版画)作品で、とうとうコールデコット・メダル受賞、さらにこの作品でルイス・キャロル・シェルフ賞受賞。





【The FIFTY-FIRST DRAGON】1968

背が高くてたくましいハーディーは騎士学校で一番できの悪い生徒。追い出したかった教授は、ハーディーにドラゴン退治のテストをする(そのころのドラゴンは、とにかく悪かったらしい)。






【SIMON'S SONG】1969






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【SUPPOSE YOU MET A WITCH】1973

魔女の逢いたいですか?もし魔女があなたをさっと袋にいれてどこかに連れていってしまったらどうしますか?ローランドとミランダという二人の賢い子供の冒険を、イアンの印象的な詩とエンバリーのイラストでたっぷりみせてくれます。グリム童話を原作に韻を踏んだり長さを変えたりして、声にだして読んだ時に楽しめる文を作っています。エンバリーさんは、このイラストに5年もの歳月を費やし、細部までとことん書き込んだようです。いままでにない美しくてふしぎで印象的なイラストは、魔女の呪文にかかってしまったような体験をさせてくれることでしょう。さあ、呪文にかかってしまいたいあなた、で、魔女の世界に迷い込んでみましょう。





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【KIPPITY KLOP】1974

またまたエンバリーさんの巧みなアイデアによる擬音絵本。馬の足音を絵本で表現するためにエンバリーさんが考え出したのは、“音”と“文字”の一体化。馬の足音の発している場所に手書きの文字で場面構成に合わせた表情を付けて、表しています。トコトコ道を歩いているとき、水のなかを歩いているとき、岩の上、草むら、そして、恐竜に見つかって追い掛けられているときなど、それぞれ、楽しい表情をつけています。表紙タイトル、ページ内ほぼ全て文字まで手書きという、凝った作品。





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【THE WIZARD OF OP】1975

ハードカバー。タテ23・ヨコ24センチ。29ページ。






【A BIRTHDAY WISH】1977

ある日、あるネズミさんのバースディパーティー。ネズミさんは、『アイスクリーム食べたい!』って願いながらろうそくの火を吹き消しました。そのろうそくを吹き消す息で、お友達の帽子が飛んで伝書鳩に。その伝書鳩が木にぶつかって、ドングリが落ち、キツツキの頭に落ちる・・・。最後は、バースディパーティー会場のネズミさんのもとにアイスクリームが届く。見開きに4コマ漫画のようなつくりで、テキストは一切なし。絵による表現から、ストーリーを想像して、連想して楽しむ絵本です。





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【ED EMBERLEY'S ABC】1978

アルファベットを優しく教えてくれるABC絵本。アルファベットを優しく教えてくれるのは、なんと動物や虫たち。もちろん、その動物や虫たちの名前にちなんだアルファベットを教えてくれます。蟻さんは飛行機に乗って、その煙りでANTの“A”を書き、ネズミは大好物のチーズを“M”の形にかじっています。シマウマ(ZEBRA)さんは飛行船に乗って、“Z”の形に電球を繋げて行きます。こんなに楽しく優しく教えてくれるのが動物なら、もっと簡単に英語も憶えられるかも。





【ED EMBERLEY'S AMAZING LOOK THROUGH BOOK】1979

普通にページをめくっただけだと、何だか訳の分らない図柄パターンがバーンとあるだけ(それだけでも面白いんです!)なんですが、ページを光に透かしてみると、あ〜ら不思議。なんと、透けた裏のページと表のページが合体して、ひとつの絵柄と文字が現れる仕組み。出てきた絵柄も、なんとも可愛らしく愛嬌たっぷりな“LION”“PIG”“DOG”“BEAR”など。子供達の創造力を広げるために作られた、新しいアイデアを試そうとするエンバリーさんの心意気を感じる絵本。ある文字と、あるパターンをヒントに創造力を駆使して答えを導きだそう。


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