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A

ABNER GRABOFF(アブナー・グラボフ)
Andre Francois(アンドレ・フランソワ)

Antonio Frasconi (アントニオ・フラスコーニ)
Adrienne Adams(エイドリアン・アダムズ)
ALIC AND MARTIN PROVENSEN(プロヴェンセン夫妻)

B

Bernice Myers(バーニス・マイヤーズ)
BEN SHAHN(ベン・シャーン)
Brian Wildsmith(ブライアン・ワイルドスミス)


C

Celestino Piatti(セレスチーノ・ピアッティー)
CHARLES KEEPING(チャールズ・キーピング)

D

David Mckee(デビッド・マッキー)
Dick Bruna(ディック・ブルーナ)
Denise and Alain TREZ(デニーズ&アラン・トレッツ)
DAHLOV IPCAR(ダーロフ・イプカー)


E

ED EMBERLEY(エド・エンバリー)
Ellen Raskin(エレン・ラスキン)
Evaline Ness(エバリン・ネス)
Edward Gorey(エドワード・ゴーリー)
ERIC CARLE(エリック・カール)

F

Francoise seignobosc(フランソワーズ・セニョーボ)
Feodor Rojankovsky(フェードル・ロジャンコフスキー)

G

Gerald Rose(ジェラルド・ローズ)
GERARD HOFFNUNG(ジェラルド・ホフヌング)

H

Hans Fischer(ハンス・フィッシャー)
Helen Borten(ヘレン・ボートン)
HELEN SEWELL(ヘレン・スウェル)
HERB LUBALIN(ハーブ・ルバリン)

I

IVAN CHERMAYEFF(アイヴァン・チャマイエフ)

J

JANUSZ GRABIANSKI(ヤーヌシ・グラビアンスキー)
Janosch(ヤノーシュ)
JAN BALET (ジャン・バレット)
Juliet Kepes(ジュリエット・キープス)
JOSEPH LOW(ジョセフ・ロウ)
John Alcorn(ジョン・アルコーン)

K

KARLA KUSKIN (カーラ・カスキン)
KJELL RINGI(シェル・リンギ、チェル・リンギィ)
Kathleen Hale(キャスリーン・ヘイル)

L

Leonard Weisgard(レナード・ワイスガード
LEONARD KESSLER(レナード・ケスラー)
LISL WEIL(リスル・ウェイル)

M

Margaret Bloy Graham(マーガレット・ブロイ・グラハム)
Marlene Reidel(マーレン・リーデル)
MARIE HALL ETS(マリー・ホール・エッツ)
Marcia Brown(マーシャ・ブラウン)
Milton Glaser(ミルトン・グレイザー)
Max Velthuijs(マックス・ベルジュイス)

N

Nathalie Parain(ナタリ−・パラン)

O

Olle Eksell(オーレ・エクセル)

P

Patricia Coombs(パトリシア・クームス)
POUL STROYER(ポール・ストロイエル)
Philippe Thomas(フィリップ・トーマス)

Q

R

Reich Karoly(レイク・カーロイ)
Robert Doisneau (ロベール・ドアノー)
Reiner Zimnik(ライナー・チムニク)
Roger Duvoisin(ロジャー・デュボアザン)
Raymond Peynet(レイモン・ペイネ)
REMY CHARLIP(レミー・シャーリップ)

S

Saul Steinberg(ソール・スタインバーグ)
Seymour Chwast(シーモア・クワスト)

T

Tana Hoban(タナ・ホーバン)
Tomi Ungerer(トミー・ウンゲラー)
TARO YASHIMA(太郎矢島)
TASHA TUDOR(ターシャ・テューダー)

U

Uri Shulevitz(ユリ・シュルヴィッツ)

V

VLADIMIR BOBRI(ウラジミール・ボブリ)
Virgini Tiffany(ヴァージニア・ティファニー)

W

Will and Nicolas(ウィル&ニコラス)
WILLIAM WONDRISKA(ウィリアム・ワンドリスカ)

X

Y

Yuri Vasnetsov(ユーリー・ヴァスネツォフ)
YLLA(イーラ)

Z






 



 


木版画の絵本って、知っていますか?
最近は、あまり見かけないので、書店などの絵本コーナーを覗いても見つけることは難しいかもしれません。しかし、この木版画による絵本、なかなかグラフィカルで、“大人が楽しむ”という視点で見てみると、魅力満載です。その反面、子供には伝わりにくいかもしれませんね。そして、とにかくたいへんな労力が必要なようです。木版画の絵本もいくつか残しているマーシャ・ブラウンは、木版画の技術について、「木の版を彫るには、ものすごい力と明確な決意が必要なのよ!」と言っているのです。そんな、いろいろな背景があり、木版画による絵本は、影をひそめていったのかもしれません。

 今回登場するアントニオ・フラスコーニの絵本やさまざまな絵本作家による数々の木版画絵本は、“明確な決意”のもとに、作られた傑作ばかりです。そして、作家のよって作風もさまざまで、フラスコーニは、大胆で迫力ある大きめの構図と一歩間違えば下品極まりない鮮やかな発色が特徴。ブレア・レントは、細工しづらい木版画にもかかわらず、細かなところまで彫り込み細部まで作り込むち密さ。エド・エンバリーは、木版画の特徴を生かし、スタンプのようにくり返しくり返し同じ版を使う。

いろいろな作家が同じ“木版画”というキーワードによって、さまざまな工夫を凝らし、個性に磨きをかけ、主張していった過程を垣間見るのも面白いかもしれませんね。


国際的な芸術家、アントニオ・フラスコーニ

 イタリアで生まれ、ウルグアイのモンテビデオで育ったフラスコーニは、家ではイタリア語、学校ではスペイン語という変則的な生活を強いられたことを切っ掛けに、世界中にはいろいろな言葉があることを知る。そんな彼の子供向けの絵本には、そんな影響が色濃く繁栄されている。もともとは自分の息子パブロにも、いろいろな国にいろいろな言葉があり、その言葉に対する感じかたや感覚が違うということを、教えたかったことから、「SEE AND SAY」など数々の傑作絵本を作り出したのです。
 彼は、小さい時から絵を描くことにたいへんな興味を示し、10代の頃には、新聞の政治マンガを描くという異端ぶり。その頃から、木版画や絵画で才覚を表し、1945年に奨学金制度を利用し、ニューヨークに渡ります。その後、グッゲンハイムメモリアル財団からの受賞をはじめ、数々受賞し、芸術家としての地位を確立します。彼のはじめての絵本「SEE AND SAY」では、『子供は出来るだけ早い時期から母国語以外の言語に慣れ親しむべきだ』という信念から、4カ国語(英語・イタリア語・フランス語・スペイン語)表記という画期的な絵本を作り上げ、子供たちはもちろん、親や教育者、そして芸術評論家や図書館司書にまで、たいへんな評価を受けます。
 その後発表した絵本にも、多国語表記を行い子供たちへの影響は計り知れない。そもそも、木版画は15〜16世紀に開花した画法で、その後衰退していたが、フラスコーニが復活させ、その地位を確立したもの。そんな木版画の巨匠的存在のフラスコーニが、100点もの木版画を使った映画「The Neighboring Shore」でベネチア映画祭のグランプリを受賞しています。

See and Say1955
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)


フラスコーニ初の絵本。この最初の絵本で、4カ国語表記という画期的なアイデアを取り入れ、絶賛される。子供が分かりやすいように、言語ごとに色を変え、各国の文字の下に発音が書かれている。取り上げているのは、生活に密着した身近にあるものばかりで“house”“egg”“rose”など。明るい色づかいと4カ国語表記でいろいろな国の言語に親しみ知ることが出来、子供から大人まで誰でもが楽しめたことでしょう。 黒が英語、青がイタリア語、赤がフランス語、緑がスペイン語。そして、すべての文字のしたに発音までが書いてあるのです。文字ではイメージできなくても、発音が表記されていることによって、お父さんやお母さんに読んでもらい、肉声で理解することができるんですね。最後のページには、簡単なあいさつや言葉がのっています。

THE HOUSE THAT JACK BUILT1958
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)


 世界3大絵本賞「コールデコット賞」のオナー受賞作品。前作「SEE AND SAY」の『子供は出来るだけ早い時期から母国語以外の言語に慣れ親しむべきだ』という信念はそのままに、今回は2カ国語表記。
 19世紀イギリスの代表的絵本作家ランドルフ・コールデコット(コールデコット賞はこのひとにちなんで創設された)が1878年に最初に描いた「THE HOUSE THAT JACK BUILT」という記念すべき絵本の同名絵本。原作は、マザーグースの「ジャックのたてた家」。韻を踏んだ言葉遊びのマザーグースを楽しくカラフルに表現しています。
「これは、ジャックがたてた家だよ!」という、この印象的な色どりのページのひとことから、マザーグースのはじまりはじまり。「これは、麦芽。ジャックのたてた家に置いてある麦芽だよ!」「これは、ネズミ。ジャックのたてた家に置いてある麦芽をたべたネズミだよ!」「これは、ネコ。ジャックのたてた家に置いてある麦芽をたべたネズミを殺したネコだよ!」こんな調子が最後まで続いて、どんどんつながって増えていきます。さてさて、ジャックは何を作ったでしょう?なにがジャックの家に置いてあった?麦芽をたべたのはだれ?・・・と続きます。使っているのは、すべて明るめのきいろ、ピンク、みどり、そして黒。黒も発色を微妙に調整してあるのか明るい感じになっています。印象的なのは“ピンク”。適度な加減でつかい、下品にならないセンスを作り上げています。

THE SNOW AND THE SUN1961
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)


南アメリカの子供達に良く知られている昔の民話の韻詩をフラスコーニが持ち前の大胆な木版画を使い、映像として独自の解釈をくわえ、起こしなおした作品。今までの絵本同様、スペイン語と英語の2カ国語表記。フラスコーニ自身が少年時代をすごしたウルグアイの学校でも、似たような民話を勉強しました。それは、言葉の音や意味だけでなく、人生についての勉強でもありました。自然界の全ての物は何か他の物とつながっていて、それぞれの行為がその結果を生んでいると。本書の民話は雪が私の足を痛めつけるのを、私は雪のせいにする。すると雪は、太陽が雪を溶かすせいだという。太陽は雲のせいにする。と言うように、次から次に何かが何かの原因になっている。という例をあげ、自然界に存在するもの全てが、関係しあって世の中の物事が決定づけられていることを、子どもたちに教えようとしています。奥行き感、そして広がりのある絵画をみているような力強さとスケール。今までにない鮮やかなブルーと明るめの赤を基調にし、ほとんどのページがその2色で作り上げられていて、シンプルなのに大迫力なページ展開が見るたびに感動を呼び寄せる傑作。「炎」「水」「雲」という形のないものを表現するのは水彩画なのでも難しいのですが、それを木版画という、細かな表現が苦手な画法でバッチリ表現しています


SEE AGAIN SAY AGAIN1964
antonio frasconi(アントニオ・フラスコーニ)

新しい言葉や言語を学ぶことが大好きな子どもたちに、母国語以外の言語に慣れ親しんでもらうために作られた絵本『SEE AND SAY(1955)』の続編。子供達は新しい言葉を学ぶことに喜びを感じ、世界の他の国々では慣れ親しんだ物に他の言い方をしていることに気付きます。フラスコーニは、大胆で色鮮やかな木版画で子供達の身の回りにあるたくさんの物を表現しましたが、続編だけあってスケールアップ。春夏秋冬をテーマに海辺の様子、雪山で遊ぶ人の様子など見開き全面を使って表現したり、アパートの窓から見える人々の暮らしぶりなど。テキストは、英語は黒、イタリア語は青、フランス語は赤、スペイン語は緑の4カ国語表記。『春』の村をテーマにしたページ。春 の木々、春の村々、夕焼け、山。『夏』のページでは、真夏の浜辺に遊ぶ子供たちや、ビーチパラソル、そして、透き通るような海が生き生きと描かれています。『秋』のページでは、実り多い田畑の収穫風景なども。

Overhead the Sun1969
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)


アメリカを代表する詩人ウォルト・ホイットマンの生誕150周年の1969年に発行された本書。ホイットマンが独学・自費出版し世間の注目を浴びた、詩集『Leaves of Grass(邦訳・ 草の葉)』の中から、フラスコーニ自身が一節を選びだし、ある意味フラスコーニ独自の解釈でウッドカットを提供した作品。フラスコーニは、この作品によりウッドカットという“彫刻による詩”という表現を成し遂げたのかもしれません。雲の中から顔をだす太陽の、なんともボ〜ッとした表情が印象的でしょ。そして、太陽が隠れている雲は、空に浮かんでいるというよりは、太陽に絡み
付いているような・・・。この「Overhead the Sun」では、すべての木版画を左ページにレイアウトし、サイズも揃っていて、まるで額装された
ような雰囲気。淡々としたリズムの詩にぴったり。こんな風景、通常では考えられませんが、フラスコーニさんの想像力によって出現したピンク色の空。インパクトを与える色彩に少ない数の色をたくみに組み合わせて、シンプルなのに、ドキッとするページを作り出しますね。


On the Slain Collegians1971
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)


「白鯨」で知られるハーマン・メルヴィルがセレクトした詩をフラスコーニが編集しウッドカットを付けた作品。死、そして、戦争がテーマになっているようで、ずべてモノクロのページ。ドクロ、ミサイル、十字架、ナイフ、兵士、キノコ雲、マト、叫んでいる顔、子供のこぶし、瞳などが、描き出される真っ黒な画面。端の方に描かれているのは、白骨化した遺体の山。そして、全体を覆うキラキラしたものは何なのか・・・。

CRICKETS AND FROGS1972
Gabriela Mistral/著
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)/絵


ラテン系のアメリカ人で最初にノーベル文学賞を受賞したガブリエラ・ミストラルによる原作をミストラルと長年の友人であるドリス・ダナが翻訳脚色し、フラスコーニが木版画で絵をつけた作品。スペイン語と英語の2カ国語表記。コオロギとカエル、どっちの鳴き声が大きくてきれいなのか。そんな争いを星たちはじっと眺めるだけ。時の経過とともに、コオロギはコオロギの夜のために唄い、カエルはカエルの夜のために唄う。そんな決まりができて、コオロギとカエルは争うことがなくなっていく。木版画で夜空を描かせたら右にでるものはいない、と思わせるほどきれいな夜空です。木版画 だからこそ、きれいな夜空なのかもしれませんが・・・。

THE ELEPHANT AND HIS SECRET1974
Gabriela Mistral/著 
Antonio Frasconi(アントニオ・フラスコーニ)/絵


1945年にノーベル文学賞を受賞したチリの詩人ガブリエラ・ミストラルの寓話を元にしたお話。象がまだ象じゃなかった頃、象になる前の象は、地球で大きくて重たい存在になりたかった。ゆっくりとした時間の流れの中で、象になる前の象が地球上で象になり、そして、山のささやく声を聞いて、洪水から仲間の動物たちを救い出す。その山は、昔むかし、ノアにもささやいていたという。アントニオ・フラスコーニが大好きだった原作に素晴らしい色の木版画で力強さと美しさを与えている傑作。
いつものように、2つの言葉(英語とスペイン語)で表記。そして、配色に大注目。明るい赤と紫という、ちょっと間違えば下品極まりない色の組み合わせを、なぜか、スッキリ、大胆に、圧倒的な存在感をもって表現してしまう。ページのなかで使っていく色たちが先なのか、キャラクターや構図などの構成が先に決まるのか、それとも同時に決まっていくのか・・・。この2色を使うからこそ、この大柄なデザインになったと思えるし、ゾウという大きい存在があったから、この大胆な色の組み合わせを思いついたのか・・・。今まで見開いたことのなかったゾウの瞳が、最後のページで、初めて大きくみ開かれる。

HOW THE LEFT-BEHIND BEASTS BUILT ARARAT1978
Norma Farber/著 
antonio frasconi(アントニオ・フラスコーニ)/絵


ノアはとても申し訳なく思っていました。なぜなら小さな箱舟には動物たちはそれぞれ、オスとメスの一組ずつしか乗せられなかったから。たくさんの動物たちが丘の上に残されました、でも残された動物たちも、ただ黙って溺れるのを待っていたわけではなかったのです。箱舟に乗れなかった動物たちのその後を、ノーマ・ファーバーがユーモラスに語り、アントニオ・フラスコーニの木版画(ウッドカット)が、力強く生き抜く動物たちを、今までにない可愛らしい表情に描いた一冊。ノーマ・ファーバーは詩人として、また女優として、歌手として、そして妻であり母として輝かしい成功を収めた後に子供向けの本を書き始めました。彼女の詩や著書は1975年のNational Book Awardにノミネートされ、受賞しています。
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繊細で情緒にあふれ、キュートなキャラクターを作りだしたブレア・レント


1930年、アメリカ・ボストン生まれ。ボストンミュージアムスクールを卒業後、ヨーロッパを旅しボストン・ミュージアム・オブ・ファインアートの奨学金を獲得しヨーロッパへ渡ります。最初のイラストは「The Wave」、この作品でいきなりコールデコット賞オナーを受賞します。ケープコッドで快速帆船の船長だったブレア・レントのおじいさん、ニューイングランドの港と海、そんか彼が初めてイラストを担当したのが「The Wave」だったのです。ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンの春の本の祭典で優勝し、ニューヨークタイムズの年間ベストイラストレーターの中にも選ばれました。AIGA (American Institute of Graphic Arts)Children's Book Showの1963-1964で展示されたりと、花々しい遍歴の持ち主なのです。「たいようとつきはなぜそらにあるの?(ほるぷ出版)」が日本では有名ですね。

the Wave1964
Blair Lent(ブレア・レント)/絵


子供も大人も生活や自然といったありふれた題材から生まれた民話は、魅力的に聞き入るでしょう。The Waveもそのようなお話で、もともとは日本の昔話をラフカディオハーンが翻訳したものです。孫とふたり暮しをしているおじいさんの村に、ある日大地震が起こり、冷酷にも自然は大津波を起こしておじいさんの住んでいる村を飲み込もうと襲います。おじいさんは自分の田に火をつけます。私たちはおじいさんの威厳と、自然災害と戦おうとする能力とそのすばらしい結末を知ることになります。民話というのは語り手によって次々伝えられ変化し、よい形になります。子供の図書館の司書のかたわら、語り手をやっていたマーガレットにピッツバーグのテレビ局が注目しました。そしてこのお話にマッチするイラストレーターがブレアレントだったそうです。彼の劇的な三色のイラストが古い日本の優雅さと力強さをうまく表現し、津波の恐ろしさをスケール感たっぷりに描き切っています。1965年コールデコット賞オナー受賞作品。

Pistachio1964
Blair Lent(ブレア・レント)


なぜか自転車に乗れて、なぜか逆立ちができて、そしてなぜか体がグリーンな珍しい牛のピスタチオ。飼い主のワルド−はピスタチオと一緒にサーカスに入りたいと思っているのですが、「牛を見たいお客さんなんていないよ!」ってことで、入れてもらえない。そこでワルド−は考えます、ピスタチオをライオンに変身させてもう一回チャレンジ・・・失敗、ゾウに変身・・・失敗。どんな方法でサーカスに入るのでしょう?かわいい垂れ目、ほっぺは赤く、妙にキュートなピスタチオ。

John Tabor's Ride1966
Blair Lent(ブレア・レント)


鯨の漁師ジョンの漁船が難破して、もう2年。このところ船も全然見かけなくなっちゃった。そんなある日、夢の中にヒゲをはやした爺さんが現れて、ボートに乗って鯨を捕まえに連れて行ってくれる。さすがに鯨はあっさり捕まってジョンと爺さんをフィジー、スマトラ、インドと、いろんな所に連れていってくれる。

BABA YAGA1966
Ernest Small/著 
Blair Lent(ブレア・レント)/絵


ある日マルシアと言う女の子がお母さんに頼まれて村へかぶらを売りに行ったのですが,売ったお金をなくしてしまい森へかぶらを探しに行きます。でもお母さんには、「森の奥へは行ってはいけないよ。ババヤガの森だから。」と言われていたのです。ババヤガの小屋は骨や頭蓋骨で覆われていて家を支えているのは大きな鶏の足のようだといいます。そして悪いロシアの子供を捜してはシチューに入れて食べてしまうというのです。マルシアがそれを思い出したとき目の前にババヤガが・・・。マルシアは食べられてしまうのか、それともババヤガってほんとうにそんなに悪い人なのかな?

From King Boggen's Hall to Nothing-at-all1967
Blair Lent(ブレア・レント)/絵


色々な童謡の中に描かれている変わった家々や住処へのすばらしい旅の本です。この本の中に出てくる親しみやすい登場人物の、ピーターパンプキンイーターやマックシャトル老婦人の家は、ブレアレントが独自にデザインして家具も備え付けたりしたオリジナルの形。瓶の家や、ベルの家、ヤカンの家や帽子の家、あなたはどんな家に住んでみたいですか?ブレア・レントのイラストをみて、あなたが住んでいる様子を想像してみてください。なんだか、楽しい気分になってきませんか?

The CHRISTMAS SKY】1966
Franklyn M. Branley/著
Blair Lent(ブレア・レント)/絵


キリストが生まれる日、東の夜空に一つの輝く星が現れ、賢者たちがその星に導かれてベツレヘムまで来たという聖書のお話はとても魅力的。この本の基になっているのは、ニューヨークのハイデン・プラネタリウムでクリスマスの季節になると毎年行われていたショーでした。作者であるブランリー氏がそのプラネタリウムの教育プログラムのディレクターだったのです。東の空に輝いていたのは流れ星だったのか、あるいは彗星だったのか、それとも今では見ることのできない惑星だったのか。ブレア・レントの木版画が、キリストの誕生を神秘的に描いています。

Oasis of the Stars】1965
Olg Economakis(
オルガ・エコノマキス)/著
Blair Lent(ブレア・レント)/絵


アブは砂漠の暮らしが好きでした、でも、たった一つだけ嫌なことがあるのです。それは、砂漠の中のオアシスは太陽の熱がその泉と緑を枯らすまでの一時の家に過ぎないということ。泉が枯れてしまえば、また次のオアシスを探して引っ越さなければならないのです。アブの夢は、夜空の星のように、たくさん水のあるオアシスの暮らし、本当のわが家での暮らし。オルガ・エコノマキスが砂漠の美しさとそこでの生活の現実を抒情詩的な散文で表現し、ブレア・レントのイラストが、少年の夢とかたい決意を見事に描いています。
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作品数は120を越える、アメリカ絵本作家の巨匠エド・エンバリーおじさんの木版画絵本

1931年マサチューセッツ・ケンブリッジ生まれ。1970年代、数々のドローイングブックを発表し人気、知名度共に抜群。簡単な図形を組み合わせて動物などを作って行く絵本『ED EMBERLEY'S DRAWING BOOK』のシリーズは有名ですね。ボストンのマサチューセッツアートスクールを卒業後、広告デザインを学び、その後イラストレーターとして活躍しはじめます。 初の絵本『THE WING ON A FLEA』(1961)では、ニューヨークタイムズ誌の年間最優秀絵本賞を受賞します。そして、1966年発表の木版画による絵本『ONE WIDE ON RIVER TO CROSS』では、1967年コールデコット賞オナーを受賞。翌年(1968)には、やはり木版画による絵本『Drummer Hoff』がコルデコット賞メダルを受賞します。エド・エンバリーさんは、まさに木版画によって数々の賞を勝ち取り木版画による表現の可能性を広げたと言ってもいいのかもしれません。

The Story of Paul Bunyan1967
Barbra Emberley(バーバラ・エンバリー)/著 
Ed Emberley(エド・エンバリー)/絵


この絵本を作るため、ポール・バンヤンの生まれ故郷と言われているメイン州まで松の木を探しにいって手作業で採ってきたというこだわりの絵本。ポール・バンヤンの物語は、アメリカに伝わる偉大な伝説。ベイブという青い牛とともに、ミシシッピー川を掘ったり、アイオワ州やカンザス州の木を切って切り開いたといわれている伝説の男。

【YANKEE DOODLE】1965
Dr. Richard Schackburg/著 
Ed Emberley(エド・エンバリー)/ウッドカット


「アルプス一万尺、小槍のうえで♪」で日本でも馴染みのある曲。元々はイギリスの軍医によって作られた歌で、独立戦争の時に、揃いの服もなくイギリス軍のように整った行進もできないアメリカの軍隊をからかって作られた歌でした。それをアメリカ軍が歌詞を替えて歌い始めてからアメリカの民謡になりました。その曲の歌詞を、またまた日本人が替えて歌ったのが「アルプス一万尺」。そしてこの絵本は、エド・エンバリー自身で彫った木版画を自前の印刷機で自ら印刷したという手の込んだ作品。それぞれの木版を幾つかのグループにわけてライスペーパーに印刷して、最初の物が乾いたらそれにマスキングをして次の物を印刷します。一つの紙を印刷するのに24回もの作業が必要だったそうです。

ONE WIDE RIVER TO CROSS1966
Ed Emberley(エド・エンバリー)

エンバリー夫婦による“ノアの方舟”のお話。 冒頭では、想像上の動物たち(ユニコーン、火 の鳥?人面ライオン?犬ワシ?)などが1頭ずつ方舟へ。ページを追うごとに2頭ずつ、3頭ずつと増えて行きます。同じ動物を何頭も登場させるアイデアがユニークで、ひとつの動物を木版で作り、スタンプのように何度もくり返す手法。最後の乗り組み員(ヘビ、牛、羊など)は、ローラースケート履いてます。登場するキュートな動物キャラクターたちに注目するのも面白い。コールデコット賞オナー受賞作品。

DRUMMER HOFF1968
Ed Emberley(エド・エンバリー)

エド・エンバリーが、はじめてコールデコット賞のメダル(金賞)を受賞した記念すべき作品。現在のエンバリー・イラストでは、影を潜めてしまった木版画ですが、彼のイラストレーターとしての人気を決定づけるポイントとして、木版画作品が重要な位置にいたことは、間違いありません。



そのほか、以前エド・エンバリー特集でご紹介した『SIMON'S SONG』なども。
エド・エンバリーの在庫はこちらから。
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50年代、コールデコット賞の常連だった情熱家マーシャ・ブラウン

「Stone Soup(邦題・せかいいちおいしいスープ)」で、1948年に初めてコールデコット賞オナーを受賞し、その後1950年から54年までの5年連続で同賞オナーを受賞、55年には「Cinderella, or the Little Glass Slipper」で、念願の同賞メダルを受賞、という素晴らしい受賞歴。木版画の絵本以外にも、さまざまな作品があり、写真絵本なども数点手掛ける情熱家ぶり。ここで紹介している「ONCE A MOUSE...」でも1962年の2度目の同賞メダルを受賞。彼女曰く、「木の版を彫るには、ものすごい力と、明確な決意が必要なの」と。

THE BLUE JACKAL1977
Marcia Brown(マーシャ・ブラウン)/著・絵


インドに古くから伝わる「パンチャ・タントラ」という道徳的なお話をマーシャ・ブラウンがアレンジ、そして圧倒する木版画をつけた一冊。二匹の犬にに追われて逃げ込んだ桶で、ブルーに染まっちゃったジャッカルは、森の動物たちから、“神の使い”と勘違いされちゃう。ジャッカルの絶頂期と落胆を描くスケールの大きな作品に、力強い木版画を使って、奥深い作品に仕上げました。ちなみに、ジャッカルとはアフリカに生息するキツネとオオカミをあわせたような動物。


HOW, HIPPO!1969
Marcia Brown(マーシャ・ブラウン)/著・絵


あの日、生まれてから今まで、ずっとお母さんのそばから離れたことがなかった小さなカバ。ゆっくりと流れる川のほとりのパピルス(紙草)の木立の中に生まれた日、昼寝をするとき、えさをとりに行くときも。でもそんなある日、お母さんから初めて離れてしまった瞬間、小さなカバに事件がっ!

ONCE A MOUSE...1961
Marcia Brown(マーシャ・ブラウン)/著・絵


このお話、もともとはインドの首長が、自分の息子に王としての指導をするために集めた動物の民話のひとつ。かつて小さなネズミがカラスに襲われ傷ついたところを、ある老人に助けられます。そのネズミ、猫に襲われそうになると、猫に化け、犬に襲われそうになり犬に化け、最後には森の誰もが恐れる虎に化けてしまうのです。そして自慢げに動物たちの前を歩くのです。ある日そのトラは老人が、かつて自分がネズミだったことをしゃべってしまうのではないかと思うようになり、殺してしまおうと考えます。でも老人はトラの考えに気づき、トラをもとのネズミに戻してしまいます。『大きいとか、小さいとか、そんなことが一番大切なのか!』

そのほか、以前紹介したマーシャ・ブラウンの木版画絵本『All Butterflies』なども。
マーシャ・ブラウンの在庫はこちらから。
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木版画絵本、まだまだたくさんの絵本作家が手掛けていました。

作った木版画絵本は少ないけれど、傑作を作り上げた作家はまだまだいます。個性的な作品をたっぷりとお楽しみください。


TOM TIT TOM1965
EVALINE NESS(エバリン・ネス)/絵


ちょっと頭の鈍い女の子。お母さんの焼いてくれたパイが大好きで、いっぺんに5個でも10個でも食べちゃうんです。焼き過ぎえガチガチになってたって大丈夫。そんなある日、王様がやってきて女の子を気に入って結婚してしまいます。実はお母さん、その女の子の頭の鈍さは大ぼら吹いて隠したまま。そして、その大ぼらとは?


KELLYBURN BRAES1968
Sorche Nic Leodhas/著 
EVALINE NESS(エバリン・ネス)/絵


毎日毎日奥さんに口喧しくあれこれ文句を言われている年老いた老人。そんな奥さんに愛想が尽きたのか、「奥さんを悪魔にくれてやる!」なんていう、とんでもないことを考えついちゃう。

 
HOW SHIPS PLA CARDS1980
Cynthia Basil/著 
Janet McCaffery(ジャネット・マキャフェリー)/絵


たくさんのダジャレを集めたダジャレ集のような1冊。同音異議語や同じ語源からなる言葉などなど。その言葉遊びをカラフルな木版画で表現したのは、ジャネット・マキャフェリーさん。可愛らしい表現が魅力的で、木版をスタンプのようにペタペタ使ったり、煙突から出る煙りは指紋だったり。

SEALS FOR SALE1963
CARL MEMLING/著 
Peter Edwards/絵


主人公のハーバート君、なぜかアザラシが大好きで、たくさん飼うのがむかしからの夢。大人になったハーバート君は、アザラシのお店を始めちゃう。でも、さっぱり売れない。デパートで売ってみたけど売れないし、大きな公園の池でも売ってみたけど、やっぱり売れない。さてさて、考え抜いたハーバート君のアイデアとは?

Seven Uncles Come to Dinner1963
Marjorie Auerbach/著・絵


エミールはパリの真ん中の小さな通りのとても古い家に、大叔母さんのルイーズと一緒に暮らしています。ある日二人に手紙が来ました。7人の叔父のアドルフ、アントニー、ガストン、ギローム、モーリス、パスカル、そしてレオンが今度の火曜日に訪ねてくるというのです。まさに今日は火曜日!二人は大慌て。エミールはたくさんの買い物を頼まれます。果物屋さんにお肉屋さんパン屋さんに花屋さん。覚えやすいように歌にして、きちんと買い物してきたはずだったのですが・・・。たくさんのお店の様子や町の様子などなど、素敵な木版画がいっぱいです。

A DAY OF AUTUMN1967
Betty Miles/著 
Marjorie Auerbach/絵


秋の朝、まだ薄暗い夜明けの空から太陽の光。鳥たちがV字を作って飛んでいきます。スクールバスで学校へ。枯葉を踏みつけるガサガサという音。澄み切った空気。勉強に遊びに、秋はとってもいい季節。放課後は自転車に乗ったり枯葉の上に寝そべってみたり。日が暮れ始めると強い風が吹いてきて、そして一日の終わり。子供たちの秋の一日が、木版画をうまく使って描かれている一冊。

The DAY The SUN DANCED1965
Edith Thacher Hurd/著 
Clement Hurd(クレメント・ハード)/絵


マーガレット・ワイズ・ブラウンと共に作った「 おやすみなさいおつきさま」「ぼくにげちゃうよ」「 ぼくのせかいをひとまわり」など、邦訳された作品も多数あるクレメント・ハード。ハード夫人の詩のような、ゆったりとしたリズムの文とクレメント・ハードの木版画が印象的。春の訪れを待ちわびる冬眠中の森の動物たちが、ウサギの“春の太陽がやってくる”“世界が変わるんだ”という言葉に起こされる。前半は青と黒の2色で真冬の森を表現し、後半、春が近付いてくるにしたがって色を加えてくるとともに、ページをめくる度、心も盛り上げってしまいます。最終ページの“春”の表現は圧巻。



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Last Update 2012-09-22
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